2022年12月の国家資格の登場により、ドローンへの注目度がさらに高まり、活用範囲は大きく広がりを見せてきています。
仕事に活かせて将来性が期待できる資格のひとつとして、ドローンの国家資格に関心を寄せている人も多いでしょう。
仕事の中でドローンを本格的に活用したい場合や、ドローン業界への就職を視野に入れている場合など、国家資格の取得を希望する人が増加しています。
国家資格の受験を検討する際に気になるのは、国家資格試験の種類や試験日の日程、また受験の費用は実際どれくらいかかるのかということではないでしょうか。
この記事では、ドローンの国家資格試験の試験日を紹介し、試験の概要や費用の目安についても詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- ドローンの国家資格試験の概要
- 学科試験と実地試験の日程
- 国家資格試験にかかる受験料
ドローン(無人航空機)の国家資格試験の概要
ドローンの国家資格には、一等資格(一等無人航空機操縦士)と二等資格(二等無人航空機操縦士)の2種類があります。
それぞれの資格を取得するには「学科試験」「実地試験」「身体検査」の受験が必要です。
ただし、登録講習機関(ドローンスクール)で受講してから受験する場合は実地試験が免除されますので、学科試験と身体検査だけの受験となります。
また、身体検査は書類提出によって受験できるため、実質的に会場に足を運ぶのは学科試験のみというケースが主流となっています。
学科試験
国家資格の学科試験の概要は、下記の表の通りです。
国家資格の種類 | 一等資格 | 二等資格 |
形式(問題数) | 三肢択一式(70問) | 三肢択一式(50問) |
試験時間 | 75分 | 30分 |
合格基準 | 正答率90%程度 | 正答率80%程度 |
有効期間 | 2年間 | 2年間 |
学科試験は、ドローンスクールで受講していた場合も含めて、全ての人が必ず受験する必要があります。
試験は、コンピューターの画面に表示された問題にマウスを使って解答するCBT方式により行われ、全て3択問題で出題されます。
出題範囲は、国土交通省が発行する「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠する内容です。
合格ラインは、一等資格が正答率90%程度、二等資格が正答率80%程度ですが、「何点以上なら合格」という明確な合格基準が示されているわけではなく、多少変動する可能性があります。
受験対策として「無人航空機の飛行の安全に関する教則」をしっかり読み込んでおきましょう。
国土交通省から公式のサンプル問題が公開されていますので、参考にしてください。
実地試験
国家資格の登録講習機関であるドローンスクールで国家資格対応のコースを受講し、修了証明書を提出することによって実地試験は免除されます。
ドローンスクールで受講せずに直接実地試験を受験する場合は、その前に学科試験に合格している必要があります。
学科試験の有効期間は合格通知日から2年間ですので、学科試験合格から2年以内に実地試験を受験しましょう。
実地試験は100点の持ち点からの減点式採点法で行われ、終了時の点数によって合否が決まります。
合格基準は、一等資格では80点以上なら合格、二等資格では70点以上が合格です。
一等資格及び二等資格の基本免許は「昼間」「目視内」「最大離陸重量25kg未満」に限定されています。
これらの項目を限定解除して「夜間」「目視外」「25kg以上」での飛行も可能にするには、それぞれ追加で実地試験を受験する必要があります。
身体検査
身体検査では、視力、色覚、聴力、運動能力などについて基準を満たしているかどうか、下記1〜3のいずれかの方法で確認が行われます。
- 有効な公的証明書の提出
※有効な公的証明書とは、次の3つのうちのいずれかです。- 自動車運転免許証(自動二輪免許、小型特殊免許及び原付免許を除く)
- 指定航空身体検査医による航空身体検査証明証
- 無人航空機操縦者技能証明書
- 医療機関の診断書の提出(※一等資格25kg以上の場合は指定航空医の診断書提出が必要)
- 指定試験期間の身体検査を受検
身体基準を満たさなくても、眼鏡や補聴器等での矯正により条件付きで認められることが可能で、この点は自動車の免許証と同様です。
身体検査結果の有効期間は、合格通知日から1年間です。
ただし、公的証明書を提出した場合は「合格通知日から1年」または「公的証明書の有効期限」のいずれか有効期間の短い方となります。
ドローンの国家資格試験の試験日
ドローンの国家資格試験は、具体的にいつ実施されているのでしょうか。
大まかに言うと、学科試験は全国の会場で土日を含めてほぼ毎日実施されています。
実地試験については、会場と日程が限られているため、確認が必要です。
学科試験と実地試験の試験日について、以下で詳しく解説します。
学科試験
学科試験は、祝日と年末年始休業日を除く毎日、全国各地の会場で実施されています。
ただし、全ての会場で毎日実施というわけではなく、実施日程は会場によって異なります。
試験の実施日は平日が中心となっていますが、会場によっては土日でも受験が可能です。
全国の試験会場の実施日程と空席状況は、こちらで確認できます。→(学科試験)会場開催状況
試験の予約は、試験日の60日前から最短で3営業日前まで可能ですが、試験日が土日の場合は4営業日前までとなっています。
予約は都合の良い日程を自由に選べますが、直前になると満席になってしまう可能性もあるため、早めの予約がおすすめです。
実地試験
実地試験はドローンスクールの修了生は免除されるため、全員が受験必須である学科試験と比べると圧倒的に受験者が少なくなっています。
そのため、実地試験の会場は2023年8月時点で全国でわずか18カ所にとどまっており、場所によっては遠方の会場まで出向かなくてはならないケースもあるでしょう。
試験の実施日も毎日というわけではなく、各会場によって日程が決まっているため、あらかじめ確認の上、都合の良い日を予約する必要があります。
予約開始日は試験の約2ヶ月前からで、日程と空き状況はこちらから確認できます。→(実地試験)試験日程
注意事項として「目視外」「夜間」「25kg以上」の限定変更の試験を受ける前に「基本」の試験に合格している必要があります。
基本と限定変更の試験を同じ日に受験することは可能ですが、基本の試験が不合格の場合は限定変更の試験も不合格となってしまうので注意が必要です。
ドローンの国家資格試験の受験料は?
国家資格試験の受験料は下記の表の通りです。
国家資格の種類 | 一等資格 | 二等資格 |
学科試験 | 9,900円 | 8,800円 |
身体検査(書類提出) | 5,200円 | 5,200円 |
身体検査(会場での受検) | 19,900円 | 19,900円 |
実地試験(基本) | 22,200円 | 20,400円 |
証明書の交付手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
登録免許税 | 3,000円 | ー |
資格の種類にかかわらず全員が必ず支払う必要があるのは、学科試験及び身体検査の受験料と、証明書の交付手数料です。
実地試験は、ドローンスクールに通わずに会場で受験する場合のみ受験料がかかります。
その他の費用として、一等資格で新規受験の場合は、登録免許税が3,000円必要です。
例)ドローンスクールで受講、身体検査は公的書類を提出し、二等資格を受験する場合の受験料は合計17,000円となり、内訳は次の通りです。
二等資格の学科試験受験料 | 8,800円 |
身体検査(書類提出) | 5,200円 |
実地試験(スクール受講済のため免除) | 0円 |
二等資格合格証明書の交付手数料 | 3,000円 |
合計金額 | 17,000円 |
上記の例を参考に、実際の受験料を計算してみてください。
ドローンの国家資格取得費用はどれくらい?おすすめの取得方法も解説!
まとめ
ドローンの国家資格を取得する方法には、大きく分けて次の二つがあります。
- 登録講習期間(ドローンスクール)で受講してから、学科試験と身体検査を受ける方法(実地試験は免除)
- ドローンスクールには通わず、学科試験、実地試験、身体検査を受ける方法
どちらの方法を選択するかによって、受験のスケジュールやかかる費用も大きく変わってきます。
自動車の運転免許証を取得する場合と同様に、ドローンスクールに通ってから受験する方法が主流となっており、難易度から考えてもおすすめの方法と言えるでしょう。
本記事を参考に、自分に合った受験方法を検討し、国家資格試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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